愛媛県宇和島市は21日、ソメイヨシノの開花を発表した。昨年より4日遅く、平年並みだったが、鹿児島地方気象台が開花を発表した鹿児島市などと並び、2年ぶりに全国で最も早い開花宣言となった。
 2005年に気象庁の宇和島測候所が無人化されたため、宇和島市は06年から気象庁OBを「さくら観測員」に委嘱。丸山公園の標本木を使い、独自に開花宣言している。
 観測員の五十嵐廉さん(70)によると、21日午前7時40分ごろ、半開きのつぼみを確認。その後、数輪が咲き始め、午後3時に5輪の開花を確認した。
 標本木には開花を告げるプレートが掲げられ、散歩中の人たちが集まった。開花を予想し足を運んだ同市伊吹町の主婦三本ナオミさん(68)は「感激。もう何度目の春かは忘れたけど、やっぱりいつ見てもきれい」と春の便りを歓迎した。