クラシックギターの音色でお年寄りらに安らぎを届けようと、月に10回以上、愛媛県四国中央市や新居浜市の施設を訪れ、演奏活動を続けている男性がいる。四国中央市金田町金川の守屋義則さん(68)。若いころ関西でプロのベース奏者として活動した経歴の持ち主だ。
 「皆さん、きれいな声でよく歌えてますよ」。9日、同市中之庄町の通所介護施設「菜の花」を訪れた守屋さんは35人ほどの聴衆に優しく呼び掛けた。1時間余りで歌謡曲や童謡など14曲を披露。お年寄りらもギターに合わせて歌声を響かせ「懐かしい歌やね」とほほ笑んだ。
 兄孝弘さん(73)の影響で高校生時代にギターを始めた守屋さん。見よう見まねの独学だったが、魅力にはまった。卒業後は大阪で働き始めたが音楽への思いが募り、兵庫県のキャバレー専属のジャズバンドの門をたたいた。ベース奏者となり「指の形が変わるぐらい」猛練習、1日に何度も本番の演奏がある忙しさだったが「毎回興奮した」という。