愛媛県が開発したイチゴの新品種「紅(あか)い雫(しずく)」の出荷が本格化するのを前に、主力産地のJA東宇和(西予市)の山口恒朗組合長らが21日、県庁を訪れ、品種登録出願後初めてのシーズンへの意気込みを語った。
 「紅い雫」は県農林水産研究所が「あまおとめ」と「紅ほっぺ」を交配し、今年6月に農林水産省へ品種登録を出願した。雫のような形で色づきが良く、糖度と酸味がある濃厚な味が特長。本年度は県内80アールで30トンの収穫を見込む。
 同JA管内の西予市宇和町では7農家が53アールで栽培し、11月初めに出荷を始めた。いちご部会の酒井敏幸部会長は2年前から県の試験栽培に協力。「あまおとめなど他の品種よりも手間が掛からず育てやすい。今年は植え付けした9月から天気が良いので順調に生育している」と語り「クリスマスケーキなどに使ってもらい、多くの人に味を知ってほしい」と呼び掛けた。