小惑星イトカワの微粒子を採取し、2010年6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が、鹿児島県の種子島宇宙センターから12月1日に打ち上げられる。前回に続き、愛媛県新居浜市の住友重機械工業愛媛製造所が宇宙航空研究開発機構のプロジェクトに携わり、同機に搭載する小惑星の物質採取装置の開発を手掛けている。同社のプロジェクトリーダー岡林明伸さん(46)は「やるべきことは全てやった」と、はやぶさ2の新たなミッションに夢を託す。
 はやぶさ2は、18年に小惑星「1999JU3」に到着する計画で、現地に約1年半とどまり、地表や地中の物質を採取する使命を担う。20年に帰還予定の長旅で、総飛行距離は約52億キロに及ぶ。
 新装置は同社技術部門の4人を中心に開発。はやぶさの設計を基本に、より多くの物質を採取するために、採取物を格納する空間を一つ増やし、三つにした。また、機体の底部に位置する、物質を採取して取り込む装置の先端を折り曲げ、小惑星の地面に接した際に砂粒をすくい上げやすい構造に設計した。