愛媛県立とべ動物園(砥部町上原町)は11日、園で4日に誕生した雌のチンパンジーの赤ちゃんを12日から一般公開すると発表した。道後動物園時代の1986年以来、約30年ぶりとなる赤ちゃんに園は「群れの中で生活していく様子を見守ってほしい」と喜んでいる。
 赤ちゃんは、ブリーディングローン(繁殖のための無償貸借)で飼育している父親ロイ(20歳)と母親スズミ(18歳)の第1子で、4日午前7時52分、敷きわらを広げ、閉鎖した室内展示場で生まれた。
 担当飼育員の中西一則さん(53)によると、赤ちゃんの体重は2キロ前後。以前にいた京都市動物園で別の雌の出産に立ち会った経験のあるスズミは、初産ながら5日午前にはスムーズに授乳を始め、抱き方も上手で赤ちゃんも居心地良さそうにしているという。
 スズミが片時も離さない赤ちゃんは現在、母親と相性のいい雌マリー(43歳)と3頭で生活しており「群れの中で育てていけるよう、他のチンパンジーと一緒にするタイミングを見極めたい」(中西さん)。12日から1週間程度は午前10時~正午まで獣舎に出し、親子で運動させる予定。