ちょうちん作り脈々と 10日から西条まつり
10日から始まる西条まつりの屋台を彩るちょうちん作りが最盛期を迎えている。90年以上の歴史を持つ岡本ちょうちん店(愛媛県西条市氷見)では、2代目の岡本安一さんが9月に83歳で死去。長男の哲典さん(55)らが仕事を受け継ぎ、作業に励んでいる。
安一さんは約30年にわたってちょうちんを作り、70~80台の屋台が安一さんのものを付けて練り歩く。自作のちょうちんを付けただんじりが家の前で差し上げられる瞬間が「一番うれしい」と語っていたという安一さんだが、6月ごろに体調を崩して入院。病院や一時帰宅した時も職人魂がうずき、「最後までちょうちんや祭りのことを気にかけていた」(哲典さん)。
岡本ちょうちん店では、今年も例年並みの千個近くを手作り。安一さんの妻ムネ子さん(77)らが和紙を巻いたワイヤで骨組みを作り、哲典さんの妻かおりさん(50)らが貼られた和紙に墨などで絵や文字を描く。えごま油を塗って乾かした後は、手に持つ部分を哲典さんが取り付けて仕上げる。安一さんが担っていた仕事だ。