おさかな館などがある愛媛県松野町の道の駅「虹の森公園まつの」(延野々)と「森の国ホテル」(目黒)の指定管理者、共立メンテナンス(東京都、佐藤充孝社長)が2016年度末までの契約期間を残し撤退を検討していた問題で、同社は10日までに、3月末での撤退を町に伝えた。
 同社は「町側とさらなる経営改善を協議したが、方向性で相違があり、折り合いがつかなかった」と説明。経費節減やサービス向上に努め、赤字幅は減少したが「観光業は低価格競争やニーズの多様化が急速に進んでおり、対応が難しかった」と話した。
 町は当面、町農林公社に両施設の管理運営を委託し、半年後をめどに後任の指定管理者を選定する方針。阪本寿明町長は10日開会の3月定例議会で「町として事業運営の継続と従業員の雇用安定に向け、全力で対処する」と述べた。両施設の従業員は契約社員、パートを合わせ計50人。
 同社は経営継続の条件として昨年末、町に16年度末までの指定管理料約3700万円を求めたが合意に至らなかった。
 道の駅の津村英志支配人と森の国ホテルの上山猛浦支配人は「顧客に迷惑が掛からないよう対応する」と話している。