イタリア出身の石彫作家エレナ・サラチーノさん(39)が30日、愛媛県西条市丹原町田野上方の丹原文化会館で公開制作していた「うちぬき水と芸術文化」をテーマにした石彫作品を完成させた。当面は会館の敷地に展示される予定で、「作品の上部から、うちぬき水が湧き上がってくるイメージも感じてもらえたら」と話している。
 サラチーノさんは、イタリア・ルネサンス期を代表する芸術家ミケランジェロ(1475~1564年)がダビデ像に用いた白大理石の産地カッラーラ市在住で、2008年にカッラーラ美術大彫刻専科を卒業。現在は世界各国の美術展に精力的に出品している。
 今回の作品のタイトルは「継続性」で、固定的な底部と流動的な上部がメビウスの輪のようにつながっている。重さ約6トンの伊予青石(緑泥片岩)をカッターや小型削岩機などで成形し、縦約1.6メートル、横約1.1メートル、高さ約1.2メートルに仕上げた。