広島大の越智光夫学長(愛媛県今治市出身)が19日、松山市湊町7丁目の市総合コミュニティセンターで講演し、高校生ら約130人に研究の心構えなどを伝えた。
 全国8都市で開く大学説明会の一環で、特別講演した。越智学長は広島大医学部を卒業し、広島大大学院の教授などを経て、4月から学長に就いている。
 講演では、自身が手掛けた世界初の軟骨移植法について紹介。1994年、軟骨の損傷部分に膜でふたをし縫い付け、軟骨細胞を注入する方法が発表されたと説明。越智学長は糸と糸の間から細胞が漏れることを課題ととらえ、立体的な組織を培養し定着させる「3次元自家培養軟骨移植」を開発したとし、「研究は考えることから始まる。論文や教科書でベストな方法だなと考えた時点で終わる。輝く日本の未来をともにつくろう」と呼び掛けた。