「放射線を浴びたX年後」 南海放送が書籍化
1954年のビキニ水爆実験がもたらした被害について、10年にわたり被ばく者らの証言や情報を集め、報道してきた愛媛県の南海放送は26日、取材記録などをまとめた「放射線を浴びたX年後」(講談社)を出版した。
米国が行ったビキニ水爆実験では、「第五福竜丸」以外にも現場海域で操業していた漁船があり、多くの乗組員が健康被害に遭った。同局は生存者らを訪ねて証言を集め、テレビ、ラジオで放送。2012年には映画「放射線を浴びたX年後」を公開し、ギャラクシー賞報道活動部門大賞などを受賞した。
同書では、取材に当たった番組ディレクターの伊東英朗さん(54)が映画などで描き切れなかった記録や撮影の裏話、一人の制作者として事件に向き合う葛藤や悩みをつづっている。