「復興ミカン」から育てた苗 里帰り植樹へ
岩手県宮古市田老の田老第三小学校(小林由紀夫校長)の卒業生らは22日、東日本大震災発生以来交流を続ける愛媛県西予市に向けてミカンの苗木を発送する準備をした。2011年秋、復興の願いを込めて愛媛から届いたミカンの種を4年生の家族が鉢に植えたところ芽が出て育った5本のうちの1本。27日にも植樹され、友情の証しとして愛情を注がれる。
西予市が毎年開催している「全国かまぼこ板の絵展覧会」が縁の始まり。同校は11年3月11日、震災発生の約3時間前に投函(とうかん)した第17回展覧会への応募作品が無事に届き「感動賞」を受賞した。同7月に同市城川町下相のギャラリーしろかわで行われた表彰式に児童らが招かれ、秋にはその出席者宅に同ギャラリーの浅野幸江館長(当時)から愛媛特産のミカンが届いた。
丹野聖也君(現・田老第一中2年)宅では味わった後、家族が種を植木鉢に植えたところ5本が成長。丹野君は12年に浅野さんが田老を訪れた際に1本を贈り、田老第三小にも2本託した。
今回は同校に託していたうちの1本で約40センチになっており、さらなる交流を願う浅野さんからの依頼で送ることになった。22日は丹野君の同級生畠山陽光君宅に佐々木翔太君を含めた3人で集まり、苗木に添えるメッセージなどを用意した。(岩手日報社提供)