「伊達桜」いつまでも 鬼北の神社に後継苗木植樹
宇和島藩祖伊達秀宗が400年前、仙台から持ち込んだと伝わる愛媛県鬼北町内深田、大本神社の「伊達桜」。大切な桜を後世に残そうと、地元の保存会メンバーらが22日、後継樹の苗木を境内に植えた。開藩400年の記念の年に、新旧の桜がつぼみを膨らませている。
大本神社の境内には数十本の桜があり、エドヒガンとシダレザクラの2種が県天然記念物に指定されている。このうち、本殿前にある2本のエドヒガンは秀宗が献納したものといわれる。一般的なエドヒガンに比べ、花が小ぶりで平たく開くことが特徴。
2本は衰弱が著しく、危惧した同神社の氏子が2012年4月、「伊達桜保存会」を結成した。苗木の植樹は松山市の樹木医、森本政敏さん(70)の協力と、町の支援で実現した。
苗木は2本のエドヒガンと、400年前のシダレザクラの「子孫」の枝をそれぞれ接ぎ木し、森本さんが3年かけて16本を育てた。「弱った細い枝を接ぐのは大変だったが、純粋な伊達桜の保存に気を使った」という。