特産「弘法茶」を再び 商品化の取り組み着々 東温・河之内の住民グループ
旧川内町時代から親しまれた特産茶を復活させようと、東温市河之内の住民グループが商品化に取り組んでいる。地域の棚田で栽培したマメ科の植物・カワラケツメイを使った「東温アルプス まめっこ弘法茶」。代表の中野敏彦さん(63)は「もう一度飲みたいという声に応えたい。河之内の認知度向上にもつながれば」と意気込んでいる。
中野さんらによると、カワラケツメイは弘法大師空海が修行の際、お茶代わりに刻んでいって飲んだといういわれから、各地で飲み継がれているという。同地域では20年近く前から地元住民が加工・生産した「弘法茶」が広がり親しまれたが、3年ほど前に担い手がいなくなり途絶えていた。ほのかに甘く香ばしいお茶は地域行事でも愛されており、復活を求める声が多かったという。
中野さんら住民10人はグループ「キラッとかわのうち」を結成し、同じカワラケツメイ茶を生産する高知県を視察するなど加工方法を学んだ。地域おこしにつなげようと耕作放棄が目立つ棚田を活用し、今春から栽培を開始。秋に収穫し、最初の製品を完成させた。