1996年夏の甲子園(第78回全国高校野球選手権大会)決勝で松山商(愛媛県)と熊本工が激闘を繰り広げてから20年がたった。松山商をサヨナラ負けのピンチから救った「奇跡のバックホーム」の試合は今も語り継がれる名勝負。今月22日、当時の両校ナインが熊本市に集まり、地震の被災地支援の思いを込め再び試合を行う。
 20年ぶりの再戦の背景には、甲子園決勝で明暗が分かれた2人の友情がある。1人は延長十回裏1死満塁のピンチで松山商の右翼を守っていた当時3年の矢野勝嗣さん(38)=松山市。もう1人はその場面で熊本工の三塁走者だった当時3年の星子崇さん(38)=熊本市=だ。
 右翼へのフライでタッチアップした星子さんは、矢野さんの本塁への送球でタッチアウトに。直後の十一回表、松山商は矢野さんが出塁して勝ち越し、6―3で優勝を成し遂げた。
 22日午後2時、藤崎台県営野球場で試合開始。入場無料。記念Tシャツを販売し売り上げの一部を義援金に充てる。