瀬戸内海の環境保全や地域活性化を考える「瀬戸内海研究フォーラムin愛媛」が8日、愛媛県松山市文京町の愛媛大で始まり、瀬戸内海地域で歴史研究や地域おこしに取り組む関係者らが活動事例などを発表した。9日まで。
 瀬戸内海周辺13府県の研究者らでつくるNPO法人「瀬戸内海研究会議」が府県持ち回りで毎年開き24回目。愛媛での開催は1999年以来2回目で、行政関係者や学生など約80人が参加した。
 「瀬戸内海の環境と古代社会の生業・交通」がテーマの発表には3人が登壇。愛媛大東アジア古代鉄文化研究センターの槙林啓介准教授は、同センターなどが発掘調査を続けている上島町の佐島にある宮ノ浦(みやんな)遺跡について報告した。古墳時代は製塩炉、中世には揚浜式塩田で塩作りが行われ、近代には桑畑、昭和に入るとミカン畑が広がったと紹介し「遺跡周辺では縄文時代以降、断続的に人間の活動が続いた。島しょ部の開拓史や産業史、生産史が見て取れる」と語った。