県と伊方町は4日、四国電力伊方原発での重大事故時に県内外への海路避難が想定されている原発西側の住民を対象とした避難訓練を実施した。8月の伊方原発3号機の再稼働後、原発事故に備えた町民の避難訓練は初めて。住民約400人と県や町、県警の約100人が参加した。
 訓練は、地震に伴い伊方原発で放射性物質放出の危険が高まる全面緊急事態が発生し、国道197号の寸断により原発西側の伊方町瀬戸と三崎両地域の住民が陸路で30キロ圏外に避難できない状況を想定。
 県広域避難計画は原発西側の住民最大約4700人について県内や大分県への海路避難を想定しており、住民は約130台の自家用車に乗り合わせるなどして三崎港近くの体育館に集合し、町の公用バスで港岸壁まで移動した。
 体育館では甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤に見立てたあめ玉を緊急配布。ただ、予定されていた船舶への乗船は台風12号接近のため中止となった。