愛媛県松山市一番町3丁目の坂の上の雲ミュージアムで21日、江戸時代後期の1811(文化8)年作成の古地図「松山城下地図」の公開が始まった。ミュージアムによると、文化年間の地図は珍しい。2013年に寄託され、公開は初めて。8月31日まで。地図は縦約104センチ、横約90センチ。松山城を中心に、屋敷や寺の名前が細かく書かれている。
 作成時は、1784(天明4)年に雷で焼失した松山城が再建されておらず、元禄(1688~1704年)時代の地図を参考に中央に城が描かれたとみられる。地図完成後に奉行所や寺を書き入れた跡があり、修正が加えられていたことがうかがえるという。用途は不明。松山藩士の子孫の女性(大洲市長浜町)から寄託されていた。
 徳永佳世学芸員は「古地図を見れば、今の松山市の骨格が江戸時代につくられたことが分かる。通りや街の様子が今と変わりないところを見てほしい」と話した。