愛媛県今治市波方町小部の小部漁業協同組合(村上純治組合長)が淡水魚ニジマスの海面養殖に取り組んでいる。漁協によると県内では初の挑戦。「来島サーモン」として商標登録申請中で、ブランドを確立して収益の柱にする考えだ。
 ニジマスはサケ科で主に河川に生息するが、海に下った後に川をさかのぼる個体もいる。
 取り組みのきっかけは香川県の「讃岐さーもん」の成功。漁業関係者がニジマスの稚魚を買って海面養殖を開始。11年に約8千匹だった出荷量は15年に約5万匹(見込み)に増え、生産業者も当初の1社から5社に拡大し、首都圏に流通するブランド魚に成長した。
 いけす周辺の12~4月の水温はおおむね10~18度とニジマス養殖に適し、毎日、水温に応じて餌の量を調整。約350グラムの稚魚を最大約3.7キロまで育てて4月下旬に初出荷し、市内の一部スーパーなどで販売された。今期は5月末までに約1500匹を出荷する予定。