木材を直交するように貼り合わせた大型木製パネル「クロス・ラミネーテッド・ティンバー(CLT)」が新たな建材として注目される中、愛媛県内製材大手のサイプレス・スナダヤ(西条市)は28日、県内初のCLT製造拠点を西条市内に整備すると発表した。
 本社工場を同じ市内の県営工業団地・東予インダストリアルパークへ新築移転することを決めており、現地にCLT製造設備を導入し、生産拡大を図る。砂田和之社長が県庁で会見し「CLTは次世代の建築を担う建材。広く普及させ、喜んでもらえる生活空間を生み出したい」と意気込んだ。2018年1月にCLT製造ラインを完成させ、19年には年約2万1千立方メートルの生産を目指すという。
 県によると、CLTは断熱性や遮音性に優れ、欧州では中高層建築の壁や床材などに幅広く利用されている。国が4月にも基準強度などを告示する予定で、国内でも普及への期待が高まっている。一方で国内の製造施設は現在、岡山県と鹿児島県の2カ所しかなく、生産体制の確立が課題となっている。