東日本大震災発生から5年の11日、岩手県の地元紙「岩手日報社」(盛岡市)は支援に感謝し復興の現状を伝える特別号外を松山など全国8都市と岩手県内で配布した。
 同社員による愛媛での街頭配布は2013年と昨年に続き3度目。県の被災者支援基金による岩手の修学旅行生招待や、全国かまぼこ板の絵展覧会を通じた交流など、「苦しいときに愛媛の方に支えてもらった」と配布先の一つに決めた。
 号外は12ページ。津波被害を受けた沿岸部の町の5年間を伝える写真や、東京や神戸など各配布地域の出身者らが被災者と手を携え支援活動に汗を流す姿などを紹介。愛媛県版の1面は、宮古市の漁港整備に尽力する八幡浜市出身の大西力さんを取り上げている。
 松山市では午前7時半ごろから、谷藤典男編集局次長兼読者センター長(56)ら3人と愛媛新聞社員が伊予鉄道松山市駅前など3カ所に分かれ計約800部を通勤・通学者らに手渡した。
 谷藤次長は「岩手は四国から遠く、被災地のことを目にする機会が減ってきたと思うが、岩手や被災地に関心を持ち続けてほしい」と話した。