別子銅山閉山後初、採鉱原図公開 新居浜で企画展
愛媛県の別子銅山の採掘状況を記した「採鉱図」を通して、世界規模の生産量を誇った銅鉱床開発の軌跡をたどる企画展が31日まで、新居浜市角野新田町3丁目の別子銅山記念館で開かれている。同館で保管していた原図を、1973年の閉山後初めて公開。大型複製パネルや坑内の写真など未公開資料計約150点を展示している。
別子銅山は1690(元禄3)年に発見され翌年開坑。閉山までに計約3000万トンを出鉱した。
採鉱原図(縦1.48メートル、横2メートル、縮尺1200分の1)は本山坑の江戸期―昭和初期の採掘状況を記録。明治時代から墨で精緻に描き込まれ、どのように採掘を進めたかが分かる。鉱床を俯瞰(ふかん)した平面図や断面図も紹介。写真は昭和30年代のダイナマイト装填(そうてん)作業や鉱車での運搬、1972年の本山坑終掘時の最下部(海抜マイナス約1000メートル)に至る坑内風景など、貴重な記録を伝えている。