愛媛県新居浜市は1日、市内の中小鉄工・機械業の技術向上や支援を目的に1972年に設置した市工業試験場(同市多喜浜4丁目)を2016年3月末で廃止する条例案を12月市議会に上程した。施設老朽化や市内業者の利用減が理由。
 試験場は鉄骨造平屋床面積330平方メートル。約4400万円かけて設置した。近くの多喜浜工業団地をアピールする設備の一つで、溶接やコンクリートの強度調査、鉄鋼の成分分析など20種類の検査を相場の半額以下の料金で実施している。
 市によると、試験場の利用件数は1985年の年間約2万4000件をピークに下がっており、2014年度は約5640件で、うち市内の鉄工・機械業は120件(2.1%)。年間約886万円の赤字だった。市産業振興課は「建物や土地は他施設として活用するか、売却を検討している」としている。