戦争体験話す高齢者招待 久万美術館企画展
愛媛県久万高原町菅生の久万美術館が、23日まで開催中の企画展「戦地の手触り 岡本鉄四郎 戦後70年 甦(よみがえ)るスケッチ」に、町内の高齢者グループを無料で招待している。日中戦争時の中国を描いた展示作品を鑑賞し、思い出した戦争体験を話してもらうことが条件。神内有理学芸員(40)は「町内には戦争記録が思ったより残っていない。ぜひ聞かせて」と呼び掛けている。
企画展は愛媛を代表する洋画家の一人、岡本鉄四郎(1915~98年)が、戦時中に中国で描いた水彩画やスケッチなど約250点を展示。当時の中国での生活風景や兵士の人物画に加え、廃虚を描いたスケッチも数枚ある。
7日に最初の招待客として、同町二名の相原和彦さん(87)ら5人が来館。神内学芸員から、展示作品について「普段は優しい筆致だが、廃虚は描き方が変わり、激しくなっている」などと解説を受けた。相原さんらは兵士の絵を見ながら「これは竹やり? 旧海軍でも竹やりの訓練をした」などと自身の体験と比べていた。