宇和島の文化魅力を再発見 歴博名誉館長らシンポ
愛媛県の宇和島伊達家を中心とした文化や学問を考えるシンポジウム「宇和島再発見」が18日、宇和島市中央町2丁目の南予文化会館であった。阪急文化財団理事で県歴史文化博物館名誉館長の伊井春樹氏(宇和島市出身)ら、愛媛の文化に造詣の深い3人が登壇、宇和島や南予の魅力を発信した。
2009年から宇和島伊達文化保存会所蔵資料の調査を進めている国文学研究資料館(東京都)が、宇和島伊達400年祭に合わせて開催した。
伊井氏は1958年に発足した宝塚歌劇団「郷土芸能研究会」が、日本の芸能を舞台化しようと、地方の祭りや民謡などを約20年間調査した活動を紹介。愛媛県の調査件数は154件で「半分が南予で文化の豊かさが分かる」と分析した。
仙台から伝わったとされる鹿踊りや高知伝来という愛南町内海地区の荒獅子など、約50年前の映像や音声を公開。「祭りや芸能は時代とともに変化し、支える人がいなくなればいつかは消えてしまう。記録を残すことが大事」と強調した。
日本女子大教授の福田安典氏は、和歌など文芸に秀でた宇和島藩5代藩主伊達村候を軸に宇和島の学問について、愛媛大教授の三浦和尚氏は「三輪田米山の魅力」と題し和霊神社との関わりにも触れた。