愛媛県内のがん検診受診率が低迷している。2013年の国民生活基礎調査によると、国や県の計画で受診率向上へ対策を求めている男女の5種類のがんに関し、女性の肺がん検診以外は全国平均を下回っている。県などは受診率50%以上を目指し10月にキャンペーンを展開。早期の発見と治療に結び付けていく。
 13年の県内の受診率は、男性の肺がん検診が最も高く46.9%。それでも全国の47.5%より低い。一方、最も低いのは女性の胃がん検診で31.1%(全国33.8%)だった。
 県によると、県内の受診率が低調に推移する背景には、職場でがん検診を受ける機会のない自営業者などの受診が少ないことが一因として挙げられる。
 国のがん対策推進基本計画は、75歳未満の「年齢調整死亡率」を20%減少させる方針を掲げる。
 県内では14年、がんで4526人が死亡し死因のトップ。県は死亡率低下へ、生活習慣の改善による予防に加え、早期の発見と治療を求める。検診で見つかった疑い患者を精密検査につなげることも必要だ。