平和のシンボルとしてサクラ「陽光」を生み出した愛媛県東温市出身の故高岡正明氏(1909~2001年)の半生を描いた映画「陽光桜-YOKO THE CHERRY BLOSSOM」の完成披露試写が30日、東温市見奈良の坊っちゃん劇場であった。
 元教員の高岡氏は、多くの教え子を戦争で亡くした後悔から、25年がかりで陽光を誕生させた。映画は、平和の願いを陽光に託した高岡氏の生きざま、それを見守る家族の姿を優しいタッチで描いている。俳優笹野高史さんが主演を務めたほか、的場浩司さん、八幡浜市出身の宮本真希さんらが出演。3月から約2週間、松山市や東温市など県内で撮影も行った。
 試写には撮影の協力者ら約300人が来場した。脚本も手掛けた高橋玄監督(49)が「エンドロールにものすごい数の名前が並び、それだけ多くの人たちが支えてくれたのだと(胸に)迫るものがあった。皆さんがいなければこの映画は生まれなかった」と涙で声を詰まらせながらあいさつ。来場者は高岡氏のユニークな人柄や家族とのやりとりに笑い、戦争根絶への強い思いに涙しながら、114分間の作品に見入った。