牛乳パックの内側に四季折々の花などを描いている加藤春美さん(72)=愛媛県西条市下島山=が自らの絵画約40点を集めた初の作品集「花のたわごと」を自費出版した。
 加藤さんは約30年間生け花を教える一方、絵画や短歌にも挑戦。県展への出展などを続けている。十数年前からパレット代わりにしていた牛乳パックに注目。パックの内側は滑りやすいためフェルトペンでスケッチし、油絵の具を筆や指を使って丁寧に塗り、絵画は100点近くに上る。
 作品集は縦横約25センチで、絵画をほぼ原寸大で収録。色とりどりの花が飾られた籠には「みんなあつまって おしゃべりする それだけでいい」、茎が折れたダリアには「この間の台風の風にやられちゃった でも まだまだ元気よ」など、心和む一言が添えられている。
 自宅には抽象画や原爆ドームを描いた作品などが所狭しと並び、まるで展覧会場のよう。最近、力を注いでいる農作業の合間に絵を描く加藤さん。「生きている間に、作品集を出せることができて幸せ。これからも自由な気持ちで描いていきたい」と柔和な笑みを浮かべた。
 作品集は税込み2160円。西条、新居浜両市の書店で販売している。