災害で流失の渡米人形、日本画で復活
戦前の1927年、日米友好を願い米国から贈られた「青い目の人形」のお礼として、愛媛から旅立った人形が2代続けてハリケーンで流失している。「人形交流の印をよみがえらせたい」―。松山市祝谷6丁目、日本画家岸本章子さん(73)が被害に遭った人形2体を描いた。8月には3代目の親善大使として絵が海を渡る。
松山市別府町の人形愛好家田中安子さん(67)によると、青い目の人形は日本に1万2000体余り、愛媛には214体贈られたが、開戦で排斥され日本に300体余り、県内に5体が残るのみ。日本も答礼として全米各州に58体の市松人形を贈ったという。
県が27年に初代「ミスえひめ」を米ミシシッピ州ガルフポート市の公立図書館に贈ったが、69年に流失。88年には田中さんらが中心となって募金運動を進め、2代目の人形を届けたが、2005年にまたもハリケーン「カトリーナ」に遭うという数奇な運命をたどった。