愛媛県立とべ動物園(砥部町上原町)は29日、ブリーディングローン(繁殖のための無償貸借)で飼育しているチンパンジー2頭の妊娠を発表した。出産予定は7月と9月で、無事に生まれれば前身の道後動物園時代の1986年以来約30年ぶりとなる。
 2頭は、京都市動物園から来たスズミ(18歳)と、京都大野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県)出身のツバキ(19歳)。園によると、母子ともに健康で、スズミは早くて7月19日、ツバキは9月21日に出産する見込み。父親はいずれも同センター熊本サンクチュアリから来園したロイ(19歳)で、ツバキとは2産目になる。
 担当飼育員の中西一則さん(53)によると、国内のチンパンジーは、高齢による死亡などで減少傾向にある。園は昨年10月、樹上生活が中心のチンパンジーの特性に配慮し、獣舎と橋状の通路でつながる「チンパンジーの森」を新設して3頭の受け入れ態勢を整え、繁殖に期待を寄せていた。