今春の第87回選抜高校野球大会に21世紀枠で82年ぶりに出場し、同大会初勝利を挙げた愛媛県立松山東高校野球部。大歓声でスタンドを揺らした約7千人の応援団も話題を集めた。同部OBのスポーツ記者やノンフィクション作家らが甲子園出場の舞台裏などに迫った単行本「白球は時空を超えて―松山東高野球部 124年目のキセキ」を24日、出版・映像制作会社「ミライカナイ」(東京)が刊行した。
 フリーの記者時代にメジャーリーグでイチロー、城島健司両選手を取材していた松山東高OBの同社代表取締役津川晋一さん(43)=東京都中央区=が「母校のことを自分で記録に残せるまたとない機会」として企画・編集に当たった。
 勝利を挙げた二松学舎大付戦や惜敗した東海大四戦のドキュメントをはじめ、野球部が他の運動部と共用する狭いグラウンドでどのように練習し、強くなったかを解説。ノウハウがない中でいかに大応援団を送り込んだかといった同窓会関係者の苦労にもページを割いている。
 定価2千円(税抜き)で、3千部発行した。県内では29日ごろから松山市を中心に明屋、ジュンク堂、宮脇、紀伊国屋の各書店などに並ぶ予定。