集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案について、4日の衆院憲法審査会で参考人の憲法学者3人全員が「憲法違反」との認識を表明して以降、憲法学からの集団的自衛権や法案のとらえ方に注目が高まっている。愛媛県内でも法案の合憲性に疑問、妥当とするそれぞれの立場の学者による講演会が5~6月に開かれ、聴衆の関心を集めた。
 愛媛大法文学部の井口秀作教授は27日、松山市で講演し、戦争放棄、戦力不保持を示した憲法9条の下で自衛隊が存在することに「政府は『自衛のための必要最小限度の実力(自衛力)保持は禁じられていない』との憲法解釈でやってきた」と紹介。この政府解釈ゆえに「集団的自衛権の行使禁止は政府の憲法解釈だった」とし「集団的自衛権は自衛ではなく(他国を守る)『他衛』だ」と位置付けた。