にぎわいよみがえる-。石鎚山系の山あいにあり、災害の影響などで2012年から住民が住んでいない愛媛県西条市東之川地区で7日、3年ぶりに地元神社の夏祭りが開かれた。多くの出身者らが集まり、シシ肉などを食べながら思い出話に花を咲かせた。
 出身者によると、地区は鉱業や林業で栄え、1960年代後半ごろには30世帯以上が居住。子どもはバスで中奥地区の大保木(おおふき)中学校(88年閉校)まで通い、大雪の日は10キロほどの道のりを歩いたという。
 その後、鉱山閉山などの影響で、住民が立て続けに山を下りた。2012年9月、集中豪雨の影響で土砂崩れが起き、地区に唯一通じる市道が車両通行止めになった。最後まで住んでいた老夫婦も引っ越すことになり、地区は無人に。だが、それからも出身者らは、崩落現場を迂回(うかい)して歩いて地区の高智八幡神社に通い、掃除を続けてきた。15年3月には新しい市道が完成。5月中旬に夏祭りの開催を決定した。
 7日、新緑に囲まれた境内に出身者らが集まった。神事の後は境内でシシ肉などのバーベキューを楽しんだ。