大分の避難先、具体化へ 伊方原発・県広域計画
四国電力伊方原発(伊方町)での重大事故に備えた愛媛県の広域避難計画で、伊方町民の1次避難先候補の一つとなっている大分県の具体的な避難先などを新たに計画に盛り込む方針を県が固めたことが8日、分かった。佐田岬半島に立地する伊方原発の西側の住民には避難の実効性に疑問の声もあり、不安解消へ海路や空路での大分県への避難計画の具体化が求められていた。
現在の計画では、伊方町民の1次避難先候補は松前町と大分県に設定されている。伊方原発から5キロ圏内の住民と、伊方原発から西側の30キロ圏内の住民は放射性物質が放出される前から予防的に陸路で松前町へ避難することが基本。ただ原発の西側には約5000人の住民がおり陸路での避難が困難となる事態も想定される。
計画には、愛媛県内の避難先施設や輸送に使われる船舶やヘリコプターなどがリストアップされている一方、大分県に関しては屋内外の収用箇所数や収用人数は示しているが、避難先自治体や施設は明記されていない。このため愛媛県は計画を改定する方針を固めた。愛媛県は15日にも計画の改定を発表する。