国の重要文化財に指定されている民家(重文民家)の所有者でつくる「全国重文民家の集い」は30日、愛媛県松山市で総会を開いた。全国の会員ら約70人が参加、重文民家の維持や存続、後継者問題についてパネルディスカッションなどを通じて意見を交わした=写真。
 重文民家の集いは1977年に結成され、2007年に特定非営利活動法人化。全国120の重文民家の家主が所属し、重文民家に関心を持つ市民や識者らと維持管理や有効活用策などについて情報交換している。
 パネルディスカッションでは、大阪教育大の碓田智子教授は「所有者の高齢化が進み、維持管理の世代継承は差し迫った課題。建物と住文化の両者の継承が望ましい」と強調。
 京都府の伊佐家住宅に住む伊佐錠治さんは、自宅でひな祭りなどを催し地域とのつながりを強める方法を紹介。自身の子や孫の世代は地域との関係が薄く「地域の協力がなければ維持は難しい」と問題点を挙げた。