中学校で不登校を経験しながらも絵画に打ち込み、画家を目指す愛媛県松山市北斎院町の長井光世さん(20)の初の個展が19日、同市末広町の子規堂前画廊で始まる。夢実現へ向けて、地道に描き続けた色鉛筆画31点を展示する。
 長井さんは中学1年のとき、周りに気を使い過ぎてしまう性格から学校になじめず、2学期から登校できなくなった。将来への漠然とした不安を抱え、一人だけ取り残されたようなつらい日々が続いたが、松山市在住の画家ライネルト寿美子さんの作品を見て「絵を描きたい」と一念発起。5年前から絵画教室に通い始め、通信制高校も卒業した。
 最初はうまく描けず落ち込んだが、家族の後押しを受けながら「つらかった日々に戻りたくない」と体当たりする気持ちで描き続けた。
 会場には、種を赤や青、緑など色彩豊かに描いたハスの実や、手のひらからふわっと宙に浮いた紙風船など柔らかな風合いの作品が並ぶ。展示は24日まで。