太平洋戦争の激戦地となったビルマ(現ミャンマー)で命を落とした県人を悼む慰霊祭(愛媛ビルマ会主催)が12日、愛媛県松山市石手2丁目の石手寺であり、遺族ら26人が犠牲者の冥福を祈った。会によると、毎年、数人の戦地経験者が参列していたが、今年は元海軍衛生兵の高須賀隆さん(88)=松山市中村2丁目=だけとなった。
 会員数は一時期300人を超えたが、高齢化に伴って半数程度になった。境内の県ビルマ戦没者慰霊塔(愛媛パゴダ)に集まった遺族らは住職の読経の中、焼香した。高須賀さんは「何人かは戦友に会えると思っていたのに、まさか私だけとは。覚悟はしていたが(会が)細っていくのを実感した」とぽつり。「戦場は、立ってみないと分からないが、地獄だ。若い人には戦争のない平和を求めて努力してほしい」と願った。