世界マラリアデーの25日、松山市でセミナーがあり、愛媛大プロテオサイエンスセンターでマラリアを研究するバーナード・カノイさん(35)=ケニア出身=が、アフリカやアジアなどで年間約60万人の犠牲者を出す感染症の危険性や、撲滅への協力を訴えた。
 日本青年会議所愛媛ブロック協議会(菊池繁人会長)の主催。同会議所は、2008年からマラリア対策へ募金活動をしている。
 バーナードさんはケニアでは、75%の人が蚊が媒介するマラリアの危険性がある地域に住んでいると解説。「自分も子どものころ数えきれないほど発症し、激しい熱や頭痛、腹痛などで繰り返し学校を休んだ。貧しくて薬を入手できない家庭も多く、死んでしまった友達のことは忘れられない」と振り返った。
 バーナードさんは「マラリアはただの病気ではなく、減らすことで貧困も減る。私にとって人生を懸けた試練だ」と、多くの子どもたちを守ることのできるワクチン開発へ熱意を吐露した。