愛媛県の宇和島市立宇和島病院(御殿町)は、患者情報をインターネットを介して南予一円の医療機関と共有する情報通信技術(ICT)地域連携システム「きさいやネット」を導入し、5月7日に運用を始める。
 各地域の医師会などを通じ約230施設に呼び掛け、20日までに宇和島市の2次医療圏(宇和島市、鬼北町、松野町、愛南町)を中心とした26施設が参加意向を示している。
 きさいやネットは、宇和島病院での診療や投薬、検査などの情報を記録した電子カルテを、患者の同意を得た上で、登録したかかりつけの医師ら「利用医」に開示。ネット環境があれば、利用医は診察室で情報を見ることができる。
 宇和島病院によると、判断材料が増えて適切な診療につながるほか、地域連携により医療の質と安全性の向上効果も期待される。患者にとっても投薬や検査の重複を防ぎ医療費抑制のメリットがあるという。