国際的に需要が高まっているサーモンに代わる新しい養殖魚を目指し、食味が共通するアマゴの養殖に取り組む宇和島水産高校(愛媛県宇和島市明倫町1丁目)がこのほど、海水で大きく育てることに成功した。14日には同校で試食会があり、関係者が改善策などを話し合った。
 アマゴは日本在来のサケ科淡水魚。通常は2年で性成熟して産卵する。今回用いたのは、細胞核内の染色体を3組持つ3倍体のアマゴで、生殖機能がなく寿命が長い。同校では1986年から、西予市宇和町明間の佐藤アマゴ養殖場と共同で3倍体のアマゴ生産などに取り組んでいる。
 海水で養殖すると成長ホルモンの分泌が高まり大きく成長することから、専攻科水産増殖科では2014年12月、校内のコンクリート水槽で海水養殖を始めた。淡水養殖した10匹のうち海水への移行作業後に5匹が死んだが、残り5匹のうち3匹は、平均約400グラムだったのが海水養殖で平均約920グラムに成長した。