東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で産出される「雄勝石」を通した愛媛と同市雄勝町の交流が続いている。宮城の石絵作家らの作品が2年ぶりに12~15日、愛媛県内子町内子の秀芳我邸かくれ蔵で展示され、今回は雄勝石を使った愛媛の芸術家らによる作品も並ぶ。
 雄勝石は硯(すずり)やスレートなどに加工される黒色の粘板岩。「OGATSUネットワーク会議」の岡田えり子代表(50)=松山市=が、津波被害に遭った被災者が伝統産業を通じた復興に取り組む姿を報道などで知って共感し、交流を思い立った。2013年には萬翠荘で雄勝石の企画展を開いたほか、雄勝町で取材した新聞も県立図書館などで配布している。
 今回の作品展「雄勝玄昌石展」では、愛媛の15人が21センチ四方の雄勝石のスレート板を1人1枚使って水彩画やユニークな形の花器などに加工。宮城の石絵作家ら3人は、地元の風景を描いた絵画や石板に写真を写し込んだ作品などを出展する。特産の硯や石皿、海産物の販売もある。