鳥瞰図で全国の町散策 西予・県歴博で吉田初三郎展
全国の町並みや地形を大胆にデフォルメして表現した鳥瞰(ちょうかん)図の絵師・吉田初三郎(1884~1955年)を取り上げたテーマ展「吉田初三郎が描いた世界」が、愛媛県西予市宇和町卯之町4丁目の県歴史文化博物館で開かれている。4月5日まで。
京都出身の初三郎は洋画家・鹿子木孟郎に入門するが、師の勧めで商業画の道に。「京阪電車御案内」が後の昭和天皇となる皇太子に称賛されると、多数の鳥瞰図を手掛けた。
テーマ展では、四国を中心に全国43都道府県の大正から昭和期にかけた町並みなど計約70点を紹介。中国地方側から見た「瀬戸内海遊覧絵図」は大阪の商船会社の依頼を受けた作品で、四国を経由し九州までを結ぶ航路ごとに色分けするなど色彩豊か。宇和島出身の実業家・油屋熊八の援助を受けて描いた別府温泉や昭和初期の松山などもある。