愛媛県宇和島市明倫町1丁目の宇和島水産高校(田井野経生校長、203人)の専攻科6人が17日までに、環境省が2013年に絶滅危惧種に指定したニホンウナギの人工ふ化に成功した。同校によると、高校でのふ化成功は栃木県立馬頭高校に続き全国で2例目。
 謎が多いウナギの生態を研究しようと、13年秋ごろ専攻科水産増殖科が実験を始めた。国産の養殖、天然の雄と雌にホルモンを注射するなどして成熟を図ったが、1年目は採卵できなかった。
 2度目の挑戦では、雌の成熟度合いを綿密にチェックして採卵のタイミングを計った。20匹の雌に週1回、約3カ月間ホルモン投与した結果、15年2月3日、成熟した2匹から卵約55万5千個を採り出すことに成功した。人工授精し、ふ化直後のウナギの子ども「仔魚(しぎょ)」2匹を確認したが、3日後に死んだ。2月6日には別の雌2匹から約45万個を採卵し授精。仔魚約20匹を確認したが、6日後に全て死んでしまったという。