数えた!棚田257枚 大洲農高生ら調査
「ここの棚田、何枚あるんですか」「うーん…」。大洲農業高校の生徒が発した素朴な質問から、愛媛県大洲市戒川にある樫谷棚田の「現在」の姿が分かった。地元の保存会が保全活動を進める中、会員も「だいたい200枚」と把握はしていたものの実数は数えたことがなく、意外な盲点。保存会と生徒らは「それなら数えてみよう」とまとまり、このほど2日間かけて調査した。
保存会代表の地元農家、城本誠一さん(55)によると、樫谷棚田は棚田が集中している中心部と周辺部で構成する約3ヘクタール。地元では枚数を知る必要も概念もなかったが、棚田が知られるにつれ、外部からの質問も増えていた。
調査に関わった生徒は生産科学科の2年生6人で、イネなどの研究をしている。昨年末「僕たちにも棚田のお手伝いをさせてください」と申し入れた際、ふと質問が口をついたという。
10、11の両日に行った調査には生徒と保存会員ら計13人が参加。目視で済ませず、実際に田を回って竹製のくいを1本ずつさしていった。急斜面のあぜ道を行ったり来たりする重労働だが、生徒と会員は声を掛け合い、地道に作業をこなした。
調査の結果、総数は257枚と判明した。