裁判の矛盾、リアルに 映画「ゼウスの法廷」
裁判の矛盾を描いた映画「ゼウスの法廷」が愛媛県松山市湊町3丁目のシネマルナティックで上映されている。現職時に県警の裏金問題を告発した元県警巡査部長の仙波敏郎氏(65)も映画に出演。12日の上映後(午後9時半から)には高橋玄監督(48)らによるトークイベントがある。公開は18日まで。
膨大な事件を抱えるエリート若手裁判官の婚約者が、友人を事故で死亡させたとして重過失致死罪で起訴される。その事件の担当を志望した若手裁判官。法廷で、それぞれの思いが交錯する―。
「法廷は市民との接点が少なく、外から見えない。そこを描きたかった」と高橋監督。弁護士や元裁判官らに取材し有罪率の高さや上司からの圧力なども盛り込みながら、物語はラブストーリーを軸に展開。婚約者を「民意の象徴」、裁判官をギリシャ神話の全知全能の神「ゼウス」にたとえ、考え方の違いを強調している。