認知症への理解を深め地域で見守る意識を高めようと、愛媛県西予市明浜町高山地区で11日、徘徊(はいかい)を想定した模擬訓練があり、住民らが認知症役の人に声を掛け、保護するまでの流れを把握した。
 住民らでつくる実行委員会(浜田正明委員長)が「市徘徊SOSネットワーク模擬訓練」と題し主催。市内初の試みに約100人が参加した。
 訓練では、「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」の三つの心得を学んだ上で、10グループに分かれて地区内を巡り、認知症役の市職員ら8人に声を掛けた。
 住民らは、プラスチックや古新聞などを大事そうに抱えている認知症役の人を見つけると、視線を相手に合わせ「ちょっと話さんかな」「寒いなあ」などと語り掛け気持ちをほぐそうと努めた。所有物や会話から氏名や住所などの情報をつかむと、警察や家族に素早く連絡した。