環太平洋連携協定(TPP)交渉の米国との協議で、政府が牛肉の輸入関税率を現在の38.5%から協定発効後15年かけて段階的に9%に下げることを提案していたことに対し、愛媛県内で最も畜産が盛んなJA東宇和(西予市)管内では30日、産地の将来に不安を訴える声が聞かれた。
 「(関税の引き下げ幅は)半分程度と想像していたが、まさか9%とは。大変なショックだ」―。同JAの山口恒朗組合長は驚きを隠さない。
 円安で飼料価格が高騰し、生産農家の経営を圧迫。昨年は管内で十数戸が廃業した。「もしこれが実現するなら、農家の生産意欲が下がり、廃業が一気に加速するのでは」と危機感を募らせた。