県砂防ボランティア協会などは29日、愛媛県松山市で砂防講習会を開いた。愛媛大の矢田部龍一防災情報研究センター長は講演で「近年、集中豪雨も増え、土砂災害対策は難題。危険度を認識できる防災士の育成などが必要だ」と強調した。
 県や市町の職員ら約80人が聴講。矢田部氏は昨年8月、広島市で起きた大規模な土砂災害に関し、崩れやすいまさ土▽危険な谷の出口での宅地開発▽3時間続いた深夜の集中豪雨―といった特徴を説明。住民の危機意識の不足、情報を適切に伝達できなかった行政の不手際も指摘した。
 さらに「愛媛でも想像を超えた豪雨、土砂災害は起こり得る」と警鐘を鳴らし、地域の危険度の把握や避難体制の構築などを教訓として列挙した。