今治造船(愛媛県今治市)は29日、香川県丸亀市の丸亀事業本部に約400億円を投資して大型ドックを新設すると発表した。今治市内に拠点がある新来島どっく(東京)も受注増を受け、ドックを拡張している。円安でライバルの中国や韓国に対して価格競争力が回復したことに加え、船の大型化が進む業界の流れに対応する。
 今治造船の新ドックは埋め立て地約10万平方メートルに建設。全長約600メートル、幅約80メートルで、国内最大級のつり上げ能力を持つクレーン3基を設置し、2016年10月の完成を目指す。同社の大型ドック新設は00年の西条工場以来16年ぶり。
 国外の船主から受注があった世界最大級の2万個積みメガコンテナ船11隻を建造する。受注額は非公開だが、業界関係者によると1隻200億円程度とみられる。
 新来島どっくは今治市の大西工場で、全長311メートルのドックをさらに62メートル延ばす工事を実施しており、2月末に完成する。ドック拡張は23年ぶり。