愛媛県の松山商出身の近藤兵太郎(1888~1966年)が監督を務め、日本統治下の台湾代表として1931年夏の甲子園で準優勝した嘉義農林学校を描いた映画「KANO―カノ―1931海の向こうの甲子園」公開初日の24日、東京・新宿の映画館で舞台あいさつがあり、近藤役の永瀬正敏さん(48)が「映画は皆さんのもの。愛し、育ててほしい」と観客に呼び掛けた。
 映画ではスパルタで選手を鍛えるシーンが印象的な近藤。「(自分は)あんなに怖くないです」と笑いを誘った永瀬さんは「高校野球の全国大会が100年を迎える記念の年に、実際に民族を超えた台湾のチームが頑張った映画を公開できて感慨深い。台湾の人にも大変感謝している」と思いを語った。
 馬志翔監督(36)がサプライズで登場し「われわれは常に未来を見ようと思うが、忘れてはいけない過去がある。映画は台湾の歴史の一部でもあり日本の歴史の一部でもある。過去から学び、力をもらってください」とメッセージを送った。
 愛媛ではシネマサンシャイン衣山・大街道の2館で上映。3時間5分。