人日(じんじつ)の節句の7日、愛媛県内各地で今年の無病息災を願って七草がゆを振る舞う催しがあった。会場の神社などを訪れた人たちが、滋味に富んだかゆを味わい、正月の祝い膳などで疲れた胃を休めた。
 松山市居相2丁目の伊予豆比古命神社(椿神社)では、氏子の女性らでつくる椿神社敬神婦人会役員17人が、米約9キロと氏子らが奉納した七草で約600食分のかゆを作り、参拝客に振る舞った。キンカンや黒豆、塩こぶを添え、彩りを加えた。
 境内では鍋から立ち込める湯気に誘われ、伝統の味を求める人たちで行列ができた。かゆを受け取った参拝客は、熱々をゆっくりと口に運び、体を温めていた。
 母と祖母、姉と一緒に訪れた古川南1丁目の仙波響子ちゃん(6)は「毎年来ていて、今年は少し食べられるようになった。おいしい」と笑顔を見せた。
 婦人会の玉乃井誠子会長(65)は「健康で良い年であるようにとの思いを込めて作った」と話していた。